1924(大正13)・12・18 ボニファシオ海峡

~孝吉の日記~

快晴。気候爽快。午後、Corsica[*フランス・コルシカ島]Sardinia[*イタリア・サルデーニャ島]の間を通る。岩山なり。Bonifacio[*ボニファシオ。コルシカ島南端のまち]の断崖が海に切立つ。雲の奥には高山が雪を頂いてそびえる。海峡を通過してコースを北西にとる。夕焼、Corsicaの雲と連山とを照して赤く染める。荘厳なる風景におどろく。夕より風あり。船、縦に動揺す。明日はMarseille[*マルセイユ]。Louvre[*ルーブル美術館]の中に自分を見出す日も近い事となった。一生のうれしさが実現される日である。それでも夜はよく寝る。

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