1924(大正13)・11・24 シンガポール

~孝吉の日記~

船は一日碇泊。午前、busにて博物館へ行き見物。珍らしいものあれども大したる事なし。
門外にて水彩のスケッチをやる。正午、一度船に帰り、午後又、写生に出る。暑くて閉口。後、自働車で百貨店へ行き、午後五時、Raffles Hotelのダンスを見る。堂々としたhall、美くしい音楽と男女、赤い電光。それは、シンガポール[*という]よりも、もうヨーロッパへ来たやうなり。
同汽船客の一独人と共に碩田館旅館にて晩餐。独人、しゃれを云て面白し。自働車にて帰船。
シンガポールの一日は印象が深い。
晩餐に名物果のマンゴスチンを食ふ。味wonderfulなり。

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