1925・3・5 ローマ

~孝吉の日記~

Roma
木。晴。Galleria Doria[*ドーリア・パンフィーリ美術館]、Museo Barracco[*バラッコ古代彫刻美術館]へ行ったが二つとも火金だけ開けるので駄目。
Galleria Colonna[*コロンナ美術館]へ行く。Palazzo Colonna[*コロンナ宮]の二階にあるpinacoteca[*絵画館]だ。チヽアン[*ティツィアーノ]、パルマベキョ[*パルマ・イル・ヴェッキオ]、チントレットの二三枚はあるが、其他はつまらないものが多くて、これという程のgalleriaではない。
午後、Museo Nazionale[*ローマ国立博物館]へ又行く[*1]
せめてもの記憶の為、chiostro[*回廊]に並んでゐるtorso[*トルソ。胴体部の彫刻]などの断片を番人の許しでベスト[*2]に写す。帰りにVia Nazionale[*ナツィオナーレ通り]の写真屋に立寄る。

【註】
*1 2月21日、28日に続いて3度目の訪問だった。
*2 小型カメラ「ヴェスト・ポケット・コダック」。あるいは、それに使われた画面寸法4センチ×6.5センチの写真フィルム「ベスト判」。

孝吉がこの日に撮影したとみられる男性のトルソ(ローマ国立博物館)

血管が浮き出た男性の腕の彫刻(同)。やはりこの日に撮影したとみられる。
筋肉や血管による力強さの表現に関心を抱いたのだろう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次