1925・4・18~20 パリ

4・18

~孝吉の日記~

土。晴。午後、画商などを見て歩く。夜、岩田氏[*岩田豊雄]ぐう[*仮住まい]を三人で[*川島理一郎・エイ夫妻と]訪ねた。

この日の画廊巡りで見たとみられるスペイン生まれの画家ハシント・サルヴァド(1892~1983)の個展の目録。水彩やエッチング作品ほかを取り混ぜて展示している。

4・19

~孝吉の日記~

日。快晴。手紙など描く。夜、Théâtre des Champs-Élysées[*シャンゼリゼ劇場]のStudio[*小ホールの「スタジオ・デ・シャンゼリゼ」]を見る。
小さい劇場で、décor[*装飾]がよい。
題はL’Étrange Épouse du Professeur Stierbecke[*スティルベック教授の風変わりな妻]
装飾も所作もすこぶる新しく、キュービスト[*キュビスムの画家たち]やシヤガラ[*シャガール]など見るやうで、現代をよく表はす。しかし、東洋に見るやうな超現実のよろこびは得られない。

この日のスタジオ・デ・シャンゼリゼのプログラム

4・20

~孝吉の日記~

月。曇。寒い。午後、川島さんに箱屋へ来てもらう[*1]。それからMagasins Réunis[*百貨店「マガザン・レユニ 」]へ買物に行く。
夜、Théâtre des Champs-Élyséesへ行く。

【註】
*1 ヴァロキエの作品《オルヴィエート》を日本へ送るための箱調達が目的だったか。

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