~孝吉の日記~
快晴。火曜。朝からcoiffeur[*床屋]へ行く。午後Musée de Cluny、[*クリュニー美術館]へ行く。陶器の美くしいのが好きだった。
Sorbonne[*ソルボンヌ]大学の講堂のChavannes[*シャヴァンヌ]の壁画を見せてもらう。静かに落着いたよい作だと思た。やはり大家だ。Cézanne[*セザンヌ]のやうに時代の先鋒ではないが。
Rue de la Sorbonne[*ソルボンヌ通り]に安い画室付のよい部屋があったので川島さん[*川島理一郎]がけい約する。すぐ隣のbillard[*ビリヤード場]へ入る。岩田[*岩田豊雄]、川島両氏が球をつく。
十数台の球台でSorbonne大学生や支那人、日本人とりまぜ中々盛んだ。晩餐後、又やって来て川島さん、本名さん[*本名文任]がつく。
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