1925・3・17 イタリア・ローマ-ナポリ

~孝吉の日記~

火。快晴。親しみの出来た羅馬を去る。九時の汽車でNapoliに向ふ。晴れ渡た空に桃の花が咲いてCampagna romana[*ローマ周辺の平野、カンパーニャ・ロマーナ]はのどかだ。長くつづいたRoman Aqueduct[*ローマの水道橋]、そのすぐ傍を走て行く。Arban Mountains[*アルバーノ山地]には白雪が頂に輝く。Napoli近くなって、油絵によささうな村と山の姿が美くしい。
Napoli
三時前、Napoli着。烈風が吹く。
今度はContinental[*2月に岩田豊雄とナポリを訪ねた際に宿泊した海辺のホテル]をよしてParco Margherita[*マルゲリータ公園]のPensione Terziへ宿る。山手の高みにあって見晴しも悪くない。設備はよくないが、一日35Liraは安い。夕暮、町を散策。

カンパーニャ・ロマーナに築かれた古代ローマの水道橋の遺跡(孝吉がイタリアで買い求めた絵はがきより)

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