~孝吉の日記~
土。快晴。Villa Adriana[*ヴィッラ・アドリアーナ。ハドリアヌスの別荘]へ出懸ける。
第二回目だ。美くしい春日和で暖かい。オリブの林とruin[*遺跡]の壁とTivoliの山と美くしい景色を見て弁当を食ふ。水彩三四枚描いて帰る。愉快な一日だった[*1]。
【註】
*1 孝吉の日記には、川島理一郎・エイ夫妻と一緒だったか記していない。しかし、1人で訪ねた2月27日に続く再訪であり、「愉快な一日」との記述からも共に過ごしたのは間違いないだろう。
孝吉がイタリアから持ち帰ったヴィッラ・アドリアーナの絵はがきから

黄金の広場

冬の宮殿にある「魚の池」。糸杉やオリーブの木々が、別荘の遺跡にふさわしい趣を添える。

ドーリア式の柱のあるホール

庭のエクセドラ

大浴場と更衣室

客間だったとみられている「オスペダレ」