2024年11月– date –
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1924(大正13)・11・10 門司
未分類~孝吉の日記~午前、門司着。午後、門司上陸、市街見物。 ■父と子 孝吉は1898(明治31)年、京都市に父、孝七(1859~1938)、母イノ(1866~1902)の五男として生まれた。4歳にして母が病没する。闘病中からしばらくその実家に預けられていた孝吉に、実母の記憶はない。17歳の時には弟も失い、多感な時期に無常観を抱くようになる。 そんな孝吉が不憫だったか、孝七は家の中で末子となった孝吉をかわいがり、旅にもよく同伴した。孝吉のこの海外渡航を中心となって支えたひとりである... -
1924(大正13)・11・09 神戸出港
未分類~孝吉の日記~出帆午後三時、神戸出帆。箱根丸にて。風雨。川島氏夫妻[*1]に同伴す。 【参考写真】見送る人、見送られる人をつなぐテープが切れ、神戸港を離れようとする箱根丸。第1次世界大戦後の1921年に竣工した総トン数10,420トンの貨客船だった。『日本地理大系 近畿篇』(改造社、1929年)より 孝吉が残していた箱根丸、榛名丸の船内配置図。ラウンジにはピアノが置かれ、最上階には子どものためのスペースがある。書き込みによると、孝吉の自室は112番だった。 ■船出 見送りの人々...